誤訳に至ったプロセスを振り返る

トライアル

トライアルの訳文を見直していて、穴があったら入りたいほどの恥ずかしいレベルの誤訳を発見しました。

しかもその文章は、訳文の違和感が拭いきれず、何度も訳し直した文章だったのです。

原文の英文は特に複雑な構造でもなく、難解な専門用語が使われているわけでもありません。
なのに、どうしてそうなった?

訳文の違和感が拭いきれなかった原因の1つは、ある単語を別の単語と誤って認識してしまい、本来の意味とは反対の意味の訳文を導き出してしまったことでした。
さらに辻褄を合わせるように修正したため不自然な文章となっていたのです。

なぜ誤った認識から抜け出せなかったのか。

ミスはなぜ起こる?

ミスが起こる原因として、知識不足・経験不足、不注意、錯覚・勘違い、慣れ・思い込み、疲労による集中力低下、チェックリストの不備などが考えられると思います。

今回のミスは不注意によるケアレスミスにとどまらず、複数回見直しをしたにも関わらず勘違い(単語の誤認識)から抜け出せなかったことが原因でした。

その時点で勘違いしているという認識がなかったとしても、最終的に違和感が残ったままの訳文を良しとしてしまったことに問題があります。
無意識のうちに自分の思い込みに寄せるように訳文を修正し、意味が通ったなどととんでもない過ちを冒してしまいました。

まさにミスの連鎖です。

違和感のある訳文はいったん棚上げして原文に戻っていたら、そもそものケアレスミスに気付いた可能性があります。

ミス対策

ミスに気付くためチェック体制を見直し、チェックリストによる見える化を徹底する必要があります。

今回のようにヒューマンエラーが引き金となったミスを防止するには、

  • 違和感があったら、まず原文に戻り、声に出して読み上げること。
  • 時間をおいて頭をリフレッシュしてから再度目視チェックを行うこと。

を実践することが重要だと思います。

また、違和感への対処という行為は優先的に徹底的にやらなければならないことだと思います。

CATツールや校正ツールの活用によってケアレスミスを防ぐことはもちろんですが、人間による異常検知システムともいえる違和感に対してもっとセンシティブにならなければいけないと感じています。

ミスはどうしても起こるものですが、対策をしなければまた同じことを繰り返します。

リスク放置は厳禁!

ミスから学び、予防するサイクルを習慣化していきます。

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