薬物動態に関する表現

メディカル

投与に関する基本情報には、用量(dose)、投与経路(route of administration)、投与頻度(frequency)、投与間隔(dosing interval)、投与期間(duration)があり、仕事で依頼される薬のあらゆる文書にこれらの情報が記載されています。

投与された薬物がどのように吸収、分布、代謝、排泄されるのか、薬物動態の過程をおさらいし、CmaxやAUC、半減期など薬物動態の指標が何を意味するのか、公開されている添付文書の情報を参照して確認しました。

分かっているつもりだった用語も、具体的なデータに照らし合わせて確認することでしっかりと頭に定着させることができたと思います。

体内に入った薬物が体外に出ることを排泄といいます。英語ではexcretionの1語ですが、日本語では、薬物が胆汁や尿中に出る場合は「排泄」、母乳中に出る場合は「移行」といいます。

乳癌の治療に使われるハーセプチンの添付文書には、

ヒトでの乳汁移行に関するデータはないが、ヒトIgGは母乳中に移行することが報告されている。また、動物実験(サル)において、乳汁への移行(25mg/kg反復投与)が報告されている。

と記載されています。

また、投与された薬物が組織に到達することを「移行」といい、英語はpenetrationやdistributionが使われます。

薬物の組織移行性を示すパラメータが分布容積(volume of distribution)で、この値が大きいほど血中から組織への移行性が高いことが示されます。

医薬関連の用語や表現を確認するときはまずイートモでチェックしてからGoogleで検索しています。投与関連、薬物動態関連はイートモで大量の訳例がヒットしましたので、英訳トレーニングの参考にさせていただきたいと思います。

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