MRIとペースメーカー

翻訳の仕事

症例報告や文献の翻訳をしていると、様々な検査に関する表現に接します。

たとえ数行の記述であっても、背景知識がないとヘンテコな訳文になってしまうので、各種検査の大まかな理解は必要です。

検査の目的は何か、どのような結果が得られたのか、最終的にどう診断されたのか、きちんとストーリーを追って訳出しなければなりません。

例えば心臓に関連する検査はかなりの頻度で登場します。

聴診、心電図、X線、心エコー、CT、MRI、シンチグラフィ、心臓カテーテルなど。

勉強不足といえばそれまでなのですが、けっこう大変です。

そもそも心臓ってどうやって動いているの?

このように素朴なところから改めて勉強してみると、なかなか興味深く思えてきました。

さて、ペースメーカーを植込んでいる場合はMRI検査を受けることができないと思っていたのですが、いまはMRI対応のペースメーカーが開発され、日本でも2012年に薬事承認を受けて使用されているのだとか。

ただし、条件付きMRI対応ペースメーカーといって、認定を受けた施設でのみ検査が可能です。

植込み型ペースメーカーにとってなぜMRI検査が禁忌なのかというと、MRIで発生する強力な磁場がペースメーカーの強磁性体に影響を及ぼしたり、リードの発熱や誤動作につながったりする可能性があるからです。

MRI対応ペースメーカーは、強磁性体の量を減らすか使わないようにする、リードの発熱を抑える設計にするなど様々な工夫が施されているのだそうです。

このあたりは特許が出ていそうだなと思って検索してみると、やはりありました。 とりあえずファイリングしておきます。

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