前回の記事では、電子は、「同じ種類の電子軌道にすべて電子対が入った状態」で最も安定し、「同じ種類の軌道にすべて不対電子が入った状態」でも安定すると書きました。
例えば3d軌道では、「同じ種類の電子軌道にすべて電子対が入った状態」とは、最大収容電子数である10個の電子が入った状態です。
これを閉殻(closed shell)と言います。
また、「同じ種類の軌道にすべて不対電子が入った状態」とは、最大収容電子数の半数である5個の電子が入った状態です。
これを半閉殻(half closed shell)と言います。
なぜ同じ種類の軌道であればできるだけ別の軌道に電子が入るかというと、電子同士の間にクーロン力という力が働き、電子同士が反発しあって不安定な状態になるからです。
閉殻や半閉殻の構造は、このクーロン力による電子間の反発が回避された、特別に安定した電子配置なのだとか。
N(窒素)のほうがO(酸素)よりもイオン化エネルギーが大きい理由はこのことも関係するのではないかと思いました。
Nは2p軌道が半閉殻して安定。
では、なぜOが不安定か。
Oは2p軌道に電子が4個収容されており、1つの軌道に電子が2個入る。この状態だと電子が反発しあって不安定になるため電子を1個放出しやすい、という説明がありました。
では、Oは陽イオンになるということ?
Oの2p軌道のうち電子が1つずつ入った軌道にもう1つずつ電子をもらってL殻の電子が8個になれば安定するのではと思いました。
そうすればOは酸化物イオンO2-となってめでたしめでたしと。
まだすっきりしない点は残りますが、今日はここまでにします。
追記:イオン化エネルギーとは電子を1個取り去って、1価の陽イオンにするのに必要なエネルギーのことをいうので、Oは2p軌道の電子を1個放出しやすい、という説明で納得しました。「L殻の電子が8個になれば安定」というのは別のお話ですね。。
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